ルネサス製アプリケーションプロセッサを用いたプリント基板の設計・製造サービス開始
2011年11月10日
株式会社キョウデン
株式会社アットマークテクノ
組み込みプラットフォーム開発の株式会社アットマークテクノ(本社:札幌市、代表取締役:実吉 智裕、以下「アットマークテクノ」)と総合プリント基板メーカーの株式会社キョウデン(本社:長野県、代表取締役:吉川 英機、以下「キョウデン」)は、ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下「ルネサス」)の最新アプリケーションプロセッサ「R-Mobile A1」を搭載し、DDR3/HDMI等の高速信号に対応したプリント基板の設計・製造サービス(以下「本サービス」)について協業することを発表します。
ルネサス製「R-Mobile A1」は、ARM Cortex-A9コアとPowerVR高性能グラフィックスコア、フルハイビジョン画質の画像処理機能等を1チップ化したもので、次世代PNDや携帯機器など、マルチメディア環境での利用が期待されるアプリケーションプロセッサです。アットマークテクノはこのたび「R-Mobile A1」を搭載した評価用CPUボード「Armadillo-800 EVA」を開発するにあたり、キョウデンと協力して最新技術を用いたビルドアップ工法のプリント基板を設計・製造しました。
「R-Mobile A1」のマルチメディア機能を最大限に活用するには、大量のデータを高速に読み書きできるDDR3メモリ、フルハイビジョンの画像を表示するHDMI規格などに対応したプリント基板の設計が必要です。これらの規格は非常に高速な信号線を使い、複数の信号のタイミングのズレや信号波形の歪みが生じると正常に動作しない場合があります。確実な動作を実現するためには、等長配線やインピーダンスマッチングを考慮した設計をすると同時に、信号品質の解析(SI解析:シミュレーション)を行うことが重要です。信号線以外でも、不安定な電源供給が原因で発生する誤動作を防ぐため、電源品質の解析(PI解析)も不可欠です。また「Armadillo-800 EVA」のように高速な信号線を高密度に実装した基板を設計するにはビルドアップという製造工法を用いることが推奨されています。しかし、ビルドアップ工法を採用することは、多くの中小機器メーカーにとって、費用面・技術面および製造に要する時間が大きな障壁となっています。
本サービスは、「Armadillo-800 EVA」のプリント基板データをもとにした設計支援サービスです。お客様はアットマークテクノから購入した「Armadillo-800 EVA」の回路図等の情報から回路設計を行い、キョウデンにて信号解析を含めたビルドアップ工法のプリント基板の設計・製造を行います。本サービスの特長は、設計から製造までの一貫した工程を担うことができるキョウデンの強みを存分に活かし、高密度で繊細なビルドアップ工法のプリント基板でも短納期でかつ高品質に製造できる点にあります。「Armadillo-800 EVA」をもとにした製品の開発をすぐに着手できる体制が整い、開発者は「R-Mobile A1」の性能を最大限に活用した組み込み機器を実現することができます。
本サービスはArmadillo-800 EVAの発売に伴い2011年12月より開始し、株式会社キョウデンの窓口で受付します。
株式会社キョウデン TSP営業本部 取締役本部長 岡本 満のコメント
ルネサス エレクトロニクス様の「R-Mobile A1」、アットマークテクノ様の「Armadillo-800 EVA」に代表される、デバイスの高機能、高性能な組み込みプラットフォームを実現するにはプリント基板の設計、製造、実装テクノロジーを集結させた、真のモノづくりが必要です。キョウデンでは開発支援から海外量産に至るまでをフルサポートするトータルソリューションをご提案致します。この度のサービス開始により、多くの開発エンジニアの方があらゆるニーズに対応するキョウデンを実感され、幅広く活用して頂ける事を願っております。
株式会社アットマークテクノ 代表取締役 実吉 智裕のコメント
ArmadilloブランドはARMプロセッサとLinuxを採用した組み込みプラットフォームとして発表して以来10周年を迎えました。ルネサス エレクトロニクス様の最新アプリケーションプロセッサである「R-Mobile A1」を搭載した「Armadillo-800 EVA」をラインアップに加え、またキョウデン様との協業によって、より多くのお客様に対し、細かいニーズに対応した製品・サービスを提供できる体制が整いました。Armadilloブランドはこれからも、開発者に使いやすい組み込みプラットフォームとして発展してまいります。
株式会社キョウデンについて
株式会社キョウデンは、1983年7月に創業した総合プリント基板メーカーです。当社は「製造業を手段とし、サービス業を目的とする」を経営理念に掲げ、設計開発から量産(EMS)まで完全一貫支援体制を構築し、トータルソリューション プロバイダー(TSP)として、プリント基板を主軸としたソリューションサービスを提供しております。詳細は http://www.kyoden.co.jp/ をご覧ください。
株式会社アットマークテクノについて
株式会社アットマークテクノは、1997年11月に設立されたシステムハウスです。Linux対応、省電力設計の組み込み機器向け小型ボードコンピュータの開発・製造・販売を行っています。ARM搭載・省電力設計のCPUボード「Armadillo(アルマジロ)」、 Xilinx社製FPGAを搭載したモジュール「SUZAKU(朱雀)」を自社ブランドにて提供しています。詳細は http://www.atmark-techno.com/ をご覧ください。
本リリースに関するお問い合わせ先
株式会社キョウデン
担当:製造本部 設計部 北海道設計センター 畠山 巨輝- TEL: 011-252-1117
- FAX: 011-252-1107
- E-mail: info-tsp@kyoden.co.jp
株式会社アットマークテクノ
- TEL: 011-207-6550
- FAX: 011-207-6570
- E-mail: info@atmark-techno.com
※PowerVRはImagination Technologies Limitedの登録商標または商標です。※ARM、CortexはARM Limitedの登録商標または商標です。
※「Armadillo」は、株式会社アットマークテクノの登録商標です。
※その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。