エッジAI処理に対応したNPU搭載の小型省電力CPUボード「Armadillo-X2」~スマートフォン向け開発環境“Flutter”に対応し、モダンなGUIの産業機器を開発可能~
2022年11月15日
株式会社アットマークテクノ
エッジAI処理に対応したNPU搭載の小型省電力CPUボード「Armadillo-X2」
~スマートフォン向け開発環境“Flutter”に対応し、モダンなGUIの産業機器を開発可能~
Arm+Linuxの組み込みプラットフォーム「Armadillo(アルマジロ)」を提供する株式会社アットマークテクノ(本社:札幌市、代表取締役:實吉 智裕)は、エッジAI処理に対応したNPU[※]搭載のCPUボード「Armadillo-X2 (以下、本製品)」を開発しました。本製品はクロスプラットフォームのソフトウェア開発環境“Flutter”に対応するため、モダンなGUI付きの産業機器の開発を容易に行うことができます。
※NPU: Neural Processing Unit
本製品はNXPセミコンダクターズ製アプリケーションプロセッサ「i.MX 8M Plus」を搭載し、エッジAI処理に対応したコンパクト(115×75mm)なCPUボードです。NPUによる高速なAI処理だけでなく、GPUによる画面表示やH.264等のビデオエンコーダ/デコーダ処理も可能なArmadilloシリーズの最上位モデルとなります。新たな特長として(1)ソフトウェア開発環境“Flutter(フラッター)”に対応したこと、(2)動作確認済みの産業用タッチモニタを用意したことによりGUI付きの産業機器をすぐに開発できること、(3)Armadillo Base OS採用により長期に渡って運用する機器にも適用できることなどが挙げられます。
(1) クロスプラットフォームのソフトウェア開発環境“Flutter”に対応
FlutterはGoogleによって開発されているオープンソースのソフトウェア開発環境です。単一のコードからAndroid、iOSなどのスマートフォン環境だけでなく、LinuxやWindowsなどのPC環境向けにもアプリケーション開発をできるクロスプラットフォーム開発環境として注目を浴びています。中でもAndroidとiOSの両プラットフォーム向けにアプリケーションを提供している開発者から多くの支持を集め、これらの開発者がArmadilloに対しても同様に開発を行うことができるようになります。従来、Linux向けにもさまざまなGUIアプリケーションの開発環境が用意されてきましたが、主流となる開発環境もなく、開発者も多くは存在していません。本製品がFlutterへ対応したことで、産業機器でもモダンなGUIを実現できることと、多くの開発者を集めやすいというメリットを得られます。またFlutterは商用利用しやすいソフトウェアライセンス形態であることも特長です。
(2) ADLINK社製の産業用タッチモニタで動作確認済み
本製品はADLINK社製のオープンフレーム産業用タッチモニタ「OM Series」と接続/動作検証がされており、Flutterと組み合わせてGUI付きの産業機器をすぐに開発することが可能です。「OM Series」は10.1型/15.6型/21.5型サイズのLCDパネル(16:9)がラインアップされ、静電容量タッチパネルによる操作をサポートしています。本製品とLCDパネルとの接続はHDMI、タッチパネルとの接続はUSBで行われます。
(3) コンテナアーキテクチャの「Armadillo Base OS」を搭載
本製品にはコンテナアーキテクチャを採用したLinuxベースのコンパクトなOS「Armadillo Base OS」を搭載しています。コンテナ化したアプリケーションを自由に追加できる、セキュアで堅牢なアーキテクチャで、ソフトウェアアップデートの仕組みも標準提供されています。長期に運用するIoTシステムに適しています。 本製品の開発セットは税込39,600円(税別:36,000円)で2023年2月に発売される予定です。発売開始に先立ち、パシフィコ横浜にて開催される「EdgeTech+ 2022」(主催: 組み込みシステム技術協会、会期: 2022年11月16日~18日)のアットマークテクノブース(4ホール, 小間番号:B-R04)にて、AIによる処理結果をFlutterアプリケーションで表示する本製品のデモンストレーション展示を行います。
■ EdgeTech+ 2022のイベント案内
Armadillo-X2 開発セットの主な仕様
製品名 | Armadillo-X2 開発セット(メモリ2GB) |
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製品イメージ | |
型番 | AX2210-U00D0 |
価格 | 39,600円(税込) / 36,000円(税別) |
CPU | NXPセミコンダクターズ製 i.MX 8M Plus Arm Cortex-A53(1.6GHz) 4コア、NPU(2.3TOPS) |
RAM | 2GB(LPDDR4) |
ROM | 10GB(eMMC) [※1] |
LAN | RJ45×1(1000BASE-T, AUTO-MDIX対応) |
USB | USB 3.0×1(Type-A)、USB2.0×2(Type-A, ピンヘッダ) |
SD/MMC | マイクロSDスロット×1 |
ビデオ/オーディオ | マイクロHDMI端子(Type-D) ×1, HDMI Audio対応 |
セキュアエレメント | NXPセミコンダクターズ製 SE050 |
メンテナンスポート | USB micro-Bシリアルコンソール |
入力電源 | DC12V±10% |
動作温度範囲 | -20~+70℃ [※2] |
拡張I/F | MIPI CSI-2(カメラ入力) |
外形サイズ | 115×75mm [※3] |
ADLINK社製「OMシリーズ」
10.1型/15.6型/21.5型
オープンフレーム産業用タッチモニタ
オプションケースセット
型番: OP-CASEX2-MET-00
[※1] pSLCモードで動作します。
[※2] ただし結露なきこと。
[※3] 突起部分を除くサイズです。
プレスリリースのPDF版は下記より閲覧いただけます。
関連ページ
Armadillo-X2 製品概要(Armadilloサイト)
アットマークテクノおよび「Armadillo」について
株式会社アットマークテクノは、組み込み機器向けの省電力CPUボードとその関連技術を自社独自ブランド「Armadillo(アルマジロ)」として展開しています。「Armadillo」は2001年に初代機を開発して以来、データロガーや通信機器、産業機器の操作盤やインフォメーション端末など、さまざまな組み込み機器のプラットフォームとしてご採用いただいています。2014年には「Armadillo-IoTゲートウェイ」シリーズを開発、以降IoT時代にマッチする製品開発を推進し、2020年にはシリーズ累計で50万台超の出荷を達成しました。
株式会社アットマークテクノの詳細情報
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