IoT機器向けLinuxディストリビューション「Armadillo Base OS」が大幅アップデート ~開発環境がVS Codeに対応、ブラウザから簡単操作でIoTルーターにも~
2023年5月31日
株式会社アットマークテクノ
IoT機器向けLinuxディストリビューション「Armadillo Base OS」が大幅アップデート
~開発環境がVS Codeに対応、ブラウザから簡単操作でIoTルーターにも~
Arm+Linuxの組み込みプラットフォーム「Armadillo(アルマジロ)」を提供する株式会社アットマークテクノ(本社:札幌市、代表取締役:實吉 智裕)は、IoT機器向けLinuxディストリビューション「Armadillo Base OS」に関する開発環境/利用環境を大幅にアップデートしました。
Armadillo Base OSはLinuxをベースとしたIoT機器向けのコンテナアーキテクチャを採用した新しいOSで、2021年9月にリリースされました。コンパクトでセキュリティリスクが抑えられており、標準でソフトウェアアップデート機能を有しています。アプリケーションソフトウェアはコンテナ上で動作し、コンテナのアップデートで新機能の追加やセキュリティ更新をすることが可能です。今回、Armadillo Base OSに対応した各種のArmadilloシリーズ向けに、開発環境および利用環境を大幅に強化しました。
Webブラウザで設定変更できる環境「ABOS Web」の提供、ルーター機能も実現
従来のArmadillo Base OSが搭載された製品では、本体の設定の際にテキストコンソールしか用意されておらず、ユーザーにはある程度のLinuxの知識が求められるものでした。今回、Webブラウザから設定可能な機能「ABOS Web」を提供することで、より幅広いユーザー層が利用できるようになります。LTE/WLAN/LANのネットワーク機能を容易に設定可能で、IoTルーターとしてもすぐに実運用することができます。
ABOS Webは、高い安全性と高速な処理を実現できるプログラミング言語「Rust」で書かれており、オープンソースで提供され、今後も各種の設定機能やコンテナ管理機能が追加される予定です。
Visual Studio Codeのエクステンションを提供
Visual Studio Code(以下、VS Code)はMicrosoftが開発しているオープンソースの高機能コードエディターで、多くのソフトウェア開発者から支持されています。今回、Armadillo向けの開発を行うためにVS Codeのエクステンションが用意され、VS CodeだけでArmadillo向けの開発ができるようになりました。VS Codeから「アプリケーション開発」→「実機に転送」→「実行」と一連の操作を完結できます。
「Flutter」によるGUIアプリケーションのサンプル提供
VS Codeで開発できるのはPythonやシェルスクリプト等のCUIアプリケーションだけではなく、GUIフレームワーク「Flutter」のアプリケーションも可能です。FlutterはGoogleによって開発されているオープンソースのソフトウェア開発環境です。単一のコードからAndroid、iOSなどのスマートフォン環境だけでなく、LinuxやWindowsなどのPC環境向けにもアプリケーション開発をできるクロスプラットフォーム開発環境として注目を浴びています。今回、FlutterのGUIアプリケーションのサンプルとして、動画再生とL字テロップを実現した「広告デジタルサイネージ」と工場の生産ラインの状態表示をした「工場向けデジタル看板」をソースコード付きで提供します。
広告デジタルサイネージのサンプル
工場向けデジタル看板のサンプル
Armadilloシリーズは、東京ビッグサイトにて開催される「Edge Computing展」(主催: 日本電子回路工業会、会期: 2023年5月31日~6月2日)のアットマークテクノブース(東4ホール, 小間番号:4F-19)にて、間欠動作対応の省電力モデル「Armadillo-IoTゲートウェイ A6E」やエッジAI処理対応の高性能モデル「Armadillo-IoTゲートウェイ G4」、Flutter対応でCPUボード型の新製品「Armadillo-X2」など最新製品をデモンストレーションを交えて展示します。また、6月1日(木)14:45から展示ホールセミナー会場にて、代表取締役 實吉智裕による講演を予定しています。
Edge Computing 2023(同時開催:電子機器トータルソリューション展)のイベント案内
Edge Computingセミナー
6月1日(木) 14:45~15:25
セキュアな省電力/長期供給のArm搭載CPUボード/IoTゲートウェイ「Armadillo」
講演者:株式会社アットマークテクノ 代表取締役 實吉 智裕
本セッションでは、省電力/長期供給のArm搭載CPUボード/IoTゲートウェイ「Armadillo」シリーズについて解説します。Armadilloシリーズは、Armプロセッサを搭載したCPUボードとLTE通信も可能なIoTゲートウェイがあります。NPUを搭載しエッジAI処理が可能な高性能モデルから、間欠動作可能な太陽光パネルと蓄電池で動作する省電力モデルなど多くのラインナップが用意されています。同シリーズのソフトウェアには、Linuxベースのコンテナ型OS「Armadillo Base OS」を採用し、セキュアなシステムを実現可能です。本セミナーでは、Armadilloシリーズの特長や用途、セキュリティ面について詳しく紹介し、実際の活用事例についても取り上げます。
プレスリリースのPDF版は下記より閲覧いただけます。
関連ページ
Armadillo Base OSとは(Armadilloサイト)
アットマークテクノおよび「Armadillo」について
株式会社アットマークテクノは、組み込み機器向けの省電力CPUボードとその関連技術を自社独自ブランド「Armadillo(アルマジロ)」として展開しています。「Armadillo」は2001年に初代機を開発して以来、データロガーや通信機器、産業機器の操作盤やインフォメーション端末など、さまざまな組み込み機器のプラットフォームとしてご採用いただいています。2014年には「Armadillo-IoTゲートウェイ」シリーズを開発、以降IoT時代にマッチする製品開発を推進し、2020年にはシリーズ累計で50万台超の出荷を達成しました。
株式会社アットマークテクノの詳細情報
組み込みプラットフォーム「Armadillo(アルマジロ)」シリーズの詳細情報
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